水琴窟マイスター田村

水琴窟を次世代に継承するために情報を公開し、
マイスターとして、これからも夢のある仕掛けを提案して行きます。

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【研究】の記事

音の秘密をさぐる

【実験を重ねると、意外な結果や、なんだ!そうだったのか・!が連発された】

2001年8月、東海大学工学部応用物理学科、工学博士の渡部由雄教授から突然お誘いを受けました。渡部教授は、流体力学で博士号を取得されたその道の権威の方です。その当時教授は『水琴窟』についての研究を進めているので、是非一緒に実験をしたいとの事でした。

教授は『科学的視点』から、私は『実践的視線』から『水琴窟の滴や音』について考察し、将来一冊の本にまとめようというわけです。
今まで市販されている数冊の文献には、肝心のその部分の追求がされておらず、実に参考にならなかったものです。私もこの両方面からの考え方には、以前から興味のあるところでしたので、非常に幸運だと思いました。

教授から事前のデータなどを紹介されながら説明を受けると、今まで曖昧にしていたものがはっきりとしてきました。
以前から滴の最大直径値は『6㎜』といわれてきましたが、本当にそうなのかを、私は自分の目で確かめたいと思っていました。
落下表面を加工した私の甕(カメ)では、いったい直径何mmで落ちているのか?すなわち、私が良いと思ってやっていた事は正しかったのか?を知るよい機会でもあったのです。

甕の天井から落下する滴の状況

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音が出る滴は、天井で切り離された『大きな主水滴』に、小さな『従水滴』が数個、後を追います。
音を発しない『小さな主水滴』は、『従水滴』が落ちることはありません。
ちなみにスポイトなどから落とす水滴は、従水滴が落ちません。したがって音は出ません。

研究資料

私は、東海大学応用物理学科工学博士であった、渡部由雄教授(NPO法人日本水琴窟フォーラム代表)と数年前から水琴窟の滴(しずく)や音について、共同で研究を進めています。
今まで未知だった水琴窟の音や滴の世界を、科学的視点から解明をし、論文 1)を学会に発表しました。

さらに今後、日頃の研究成果をまとめた創刊号「水琴窟の研究」を順次作って参ります。

「水琴窟の研究」

水琴窟の研究

水音研究所・NPO法人日本水琴窟フォーラム発行
水音研究所所長/谷口旦
研究員/渡部由雄・岸塚正昭・志波靖磨・上野真

  • 「水琴窟の研究」創刊号No.1(Jan.2006)
  • 「水琴窟の研究」創刊号No.2(June.2007)
  • 「水琴窟の研究」創刊号No.3(Aug.2008)

教授との交流の中で生み出すものは、私は、実践的感覚から…、教授は、科学的視点から…というように、様々な視野から水琴窟を考察することが出来るようにしています。
それにより、今まで分からなかった数々の問題や疑問点を解明することが可能になりました。
私達は、更なる経験や実験を通して、未知なる水琴窟の‘不思議?’を掘り起こして行きます。

研究員代表-渡部由雄/水琴窟師-田村光